乾燥剤の組成および特性について

 

シリカゲル

組成は二酸化珪素(SiO99.5%以上と極めて安定した物質です。この珪素とは、地殻の約60%を占める物質で、石英・水晶など天然に多く存在します。内部構造は無数の穴(細孔)で構成されます。シリカゲルは水溶性・潮解性(吸湿後液化する)・腐食性・毒性もなく、食品添加物としても認定される安全性の高い化成品です。吸湿状態を判断する為、塩化コバルトを含浸させたA型シリカゲルとの併用も一般的です。B型タイプのシリカゲルを乾燥剤として効果的に使用するには、天日乾燥を繰り返す必要があります。

Aタイプ

   1gあたりの細孔の表面積は約700?

   低湿度時からの吸湿力に優れます。

   再生には高温を要します。

   主に食品、電子部品、精密機器等の包装用乾燥剤として使用

Bタイプ(除湿マット使用)

   1gあたりの細孔の表面積は約450?

   Aタイプと比べ細孔の径が大きい(粗い)ことから、高湿度時に多くの水を吸着できます

   低湿度時の吸湿はAタイプより劣ります。

   湿度が下がれば取り込んだ水分を放出(脱着)する特徴があります。

塩化カルシウム(乾燥剤Mシリーズ使用)

吸湿能力、吸湿速度に優れ、自重の約200%の水分を化学的に吸着します。

100gの塩化カルシウムで水換算約200mlの吸水力)

また、一度吸湿した水分は離しません。

関係湿度が50%位より吸湿をはじめ、関係湿度の上昇に伴い吸湿速度を速めます。

この吸湿特性より空間内の湿度を強制的に約50%に安定する働きがあります。

吸湿すると潮解(液化)します。この液体は塩化カルシウム水と呼び、毒性はありません。石灰と異なり反応熱も低く、火災などの心配はありません。

主要乾燥剤比較表

 

シリカゲル

Aタイプ

シリカゲル

Bタイプ

塩化カルシウム

吸湿方法

物理的吸着

物理的吸着

化学的吸湿

最大吸湿率

自重の約30

自重の約70

自重の約200

再生

180℃以上

天日乾燥

家庭では不適

潮解性(液化)

無し

無し

有り

吸湿後の外観上の変化

無し

※コバルト含浸のゲルは色が変化

無し

液化

参考

物理的吸着

化学反応ではなく構造体のもつ特長により空気中の水蒸気を取り入れる反応

例)ゼオライト、炭(竹炭、備長炭)等

化学的吸着

化学反応により空気中の水蒸気を取り入れる反応

例)酸化カルシウム(生石灰)、塩化マグネシウム等